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亜麻とは?

亜麻

英名:flax
学名:Linum usitatissimum

亜麻科の1年草。
亜麻仁油は、ごま油やオリーブオイルと同様に植物性の油で、亜麻という植物の種(亜麻仁)を搾ってできた油です。仁は種の事を意味しています。

とても丈夫な植物であるので、一般的にあまり農薬を必要とせず、茎から種まで無駄なく加工して使うことのできる、エコな植物です。

もっとくわしく亜麻のこと

  • リネンの原料

    亜麻の茎は麻の生地(リネン)の原料になります。通気性や吸水性がよく、とても丈夫で、昔からベッドシーツやテントの帆、衣類などに使われています。

  • 世界最古の健康食品

    亜麻は歴史が古く、古代エジプトでも栽培されていました。古代ギリシャの医学者ヒポクラテスは胃腸を整えるとして健康によいと認めており、「世界最古の健康食品」ともいわれています。

  • 寒冷地での栽培

    寒い地方での栽培に適しており、ロシアは世界有数の産地です。乾燥にも強いとても丈夫な植物で、茎から種まで加工できる、とてもエコな植物です。

  • オメガ3含有量

    亜麻仁油には、カラダに不足しがちな必須脂肪酸α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)を成分の半分以上と多量に含んでいます。

  • 住にも

    亜麻仁油は食用の他、自然塗料としての需要も高い油です。ヨーロッパでは自然建材として亜麻の茎の繊維が使われ、シックハウス症候群対策用に注目を集めています。

  • 動物にも

    人間だけでなく、ペットフードにも亜麻仁油は使われます。競馬が有名なアイルランドでも、競走馬に亜麻仁を与えると良い結果が生まれることが広く知られています。

オメガ3ってなんだろう?

亜麻仁油など油脂(脂質)は、体内のエネルギー源として働きます。
脂質の主成分となる脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれ下図(『脂肪酸の分類』参照)、
亜麻仁油やオリーブオイル、ゴマ油など常温で液体であるものの多くは、不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸の多くは、植物に由来しています。

不飽和脂肪酸は、その構造によりさらにオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸に分類されます。
そのうちのオメガ9脂肪酸は、人間の体内で生成する事が可能ですが、
オメガ3脂肪酸(以降オメガ3)、オメガ6脂肪酸(以降オメガ6)はどちらも体内では生成することができません。
必ずから摂る必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれています。

脂肪酸の分類

必須脂肪酸(オメガ6・オメガ3)は私達の体にとって欠かせないとても重要な栄養素です。

必須脂肪酸は、エネルギー源としてはもちろん、細胞膜を形成する役割や、細胞の内側から不純物質、外側から栄養物質の出し入れをし、細胞内の環境を整えるのに役立っています。
細胞膜が正しく機能することで、栄養の行き届いた元気な細胞となり、健康な体をつくります。

オメガ6、オメガ3ともどちらも細胞膜の原料となりますが、その働きは異なります。

オメガ6

・細胞膜を硬くする
・アレルギー促進
・炎症促進
・血液を固める

オメガ3

・細胞膜を柔らかくする
・アレルギー抑制
・炎症の抑制
・血液を流れやすくする

この働きだけを見ると、オメガ6は必要がないように思われるかもしれませんが、
例えば、出血した時などは血液を固めようとするオメガ6の働きが必要です。
オメガ6とオメガ3は、相互に生理機能の維持および調節や生命活動などの大事な役割を果たしています。

細胞正しく機能させ元気にするには、オメガ6とオメガ3の脂肪酸をバランスよく摂る事が必要です!

亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸(オメガ3)の一部は体内に入り、DHA(エイコサペンタエン酸)や、EPA(ドコサヘキサンエン酸) など青魚に多く含まれる脂肪酸に変換されます。α-リノレン酸が豊富な食べ物をとることで、これらの脂肪酸の量も体内で増やす事ができるのです。
α-リノレン酸は、エネルギーの生成、脳の機能の維持、神経機能の維持、炎症抑制に大きく貢献しています。

※DHAは脳細胞に不可欠な物質で、脳の働きを活性化させ、記憶力などを上げるのに役立ちます。
また、EPAは血液をサラサラにする効果が優れています血流を改善することで知られる成分です。

参考文献
・山田豊文(2007)『病気がイヤなら「油」を変えなさい! ?危ない「トランス脂肪」だらけの食の改善法』河出書房新社.
・有限責任中間法人 日本アマニ協会『flax a health and nutrition primer -その健康と栄養に関する小冊子- 』